速さの求め方
学習する学年:小学生
1.速さについて
私たちは、普段からいろいろな速さを見たり感じたりして生活しています。
速さと聞いて何が思い当たりますか?
例えば、
- 車でドライブしている人は車の速さ
- 新幹線で旅行に行く人は新幹線の速さ
- 野球を見ている人はボールの速さ
- デパートに買い物をしている人はエレベーターの速さ
- マラソン大会に参加する人は自分の走っている速さ
などが思い当たります。
では、これらの速さを知りたい時はどのようにしたらいいのでしょうか?
速さを手っ取り早く知りたい時は、速度計を見ればすぐにわかりますが、その他の求め方としては距離とその距離の移動に掛かった時間がわかれば速さを求めることができます。
みなさんは速さの単位はわかりますか?
km/h(キロメートル毎時)やm/s(メートル毎秒)などをよく見かけると思いますが、これらがよく使うことが多い速さの単位です。
車やオートバイの速度計(スピードメーター)にはkm/hと単位が書かれています。
この、速さの単位である、km/h、m/sの意味はわかりますか?
km/hは1時間あたりに進む距離、m/sは1秒間あたりに進む距離を表しています。
速さをわかり易く求めるには、速さの単位を意識してください。速さの単位は、次のように、時速(じそく)、分速(ふんそく)、秒速(びょうそく)の3種類があります。
- 時速(km/h、km/時)
- 時速とは、1時間あたりに進む距離を表しています。式は距離(km)÷時間(時)です。
- 例えば、30km/hならば、30km/hで走り続けたら1時間後に30km進んでいるという意味合いです。
- 分速(m/min、m/分)
- 分速とは、1分間あたりに進む距離を表しています。式は距離(m)÷時間(分)です。
- 例えば、20m/minならば、20m/minで走り続けたら1分間後に20m進んでいるという意味合いです。
- 秒速(m/s、m/秒)
- 秒速とは、1秒間あたりに進む距離を表しています。式は距離(m)÷時間(秒)です。
- 例えば、10m/sならば、10m/sで走り続けたら1秒間後に10m進んでいるという意味合いです。
結局のところ、時速、分速、秒速の単位はどういうことを意味しているのかというと、km÷h、m÷min、m÷sという計算をしたから、単位が、km/h、m/min、m/sとなっているんです。
ですので、速さを求めるには、速さ=距離÷時間という式を使って計算することになります。
つまり、速さとは、時間当たりにどのくらいの距離を進むのかを表しているので、距離と時間がわかれば速さを求めることができます。
2.速さの練習問題1
けんた君は1秒間に1m進むスピードで歩いていました。このスピードを秒速、分速、時速で表すにはどのように表せばいいでしょうか?
まずは、秒速で表すと1(m/s)なので、つまり、秒速1mになります。
次は、分速について考えてみましょう。
分速とは1分間(60秒間)にどれだけの距離を進むかということなので、1秒間に進む距離を60倍すれば求まりそうですよね。
したがって、1分間は60秒間なので1m×60倍=60mとなり、1分間に60m進むので60(m/min)、つまり、分速60mとなります。
理論的に計算すると、次のようになります。
※倍分を使って計算してください。なお、単位の次元が同じなので、分母のsと分子のsは消すことができます。

最後は、時速について考えてみましょう。
時速とは1時間(3600秒間、又は60分間)にどれだけの距離を進むかということなので、1秒間に進む距離を3600倍、又は1分間に進む距離を60倍すれば求まりそうですよね。
したがって、1時間は3600秒間なので1m×3600倍=3600m=3.6kmとなり、1時間に3.6km進むので3.6(km/h)、つまり、時速3.6kmとなります。
理論的に計算すると、次のようになります。
※倍分を使って計算してください。

3.速さの練習問題2
時速を秒速にする問題を解いてみましょう。
時速30km(30km/h)を秒速にするとどうなるでしょうか?
まずは、kmをmにしましょう。
30km=30000mとなります。
秒速とは1秒間当たりに進む距離なので、30000mを3600秒で割れば求まりそうですよね。
したがって、30000m/3600s≒8.33(m/s)
秒速8.33mとなります。
4.図を使って速さを求める式を覚える
速さの単位を見て速さを計算する方法の他に、もう1つわかり易い方法があります。
次の様な図を描いてください。

描き方は丸の中に、は、じ、き、という文字を書いて、それぞれ線で区切ってください。
丸の中のそれぞれの言葉の意味は、
- は=速さ
- じ=時間
- き=距離
のことを表しています。
今回は、速さを求めたいので、丸の中の「は」と書いてある部分を丸の外に移動して、「は」と丸の図形をイコールで結んでください。

この作業をすることによってあるものを求める式ができます。
この上の図をじっと見て何か思い浮かびませんか?
は=き/じ、に見えませんか?
は(速さ)=き(距離)/じ(時間)という式ができましたよね。これは次のように速さを求める式です。

初めに説明しました速さの単位から速さを求める方法と同じ式ができ上がりました。
km/hとはkm÷hという意味なので、/は割るということを表しています。
5.速さの計算を覚えるおすすめの本
速さの計算でつまずいているお子さんはいませんか。速さの計算方法がわかるおすすめの本を紹介します。
本の名前:強育ドリル 完全攻略・速さ
強育ドリルは速さの入門の本です。
速さの計算は公式を覚えれば一通り計算できますが、それだけでは足りないところがあります。
それは、速さの公式がなぜその式になっているのかの速さの概念を理解していないからです。
速さについて基礎から詳しく解説されているので速さの計算方法が理解でき、速さの問題が解けれるようになります。