棒グラフという統計グラフの描き方の手順

棒グラフの描き方の手順

学習する学年:小学生

1.棒グラフの説明

小学校中学年で勉強する統計グラフの種類は、棒グラフ、積み上げ棒グラフ、折れ線グラフの3つあります。

棒グラフとは、複数の数量データを棒の長さで表す統計グラフのことです。

データの種類は、ものの種類・区別を表した質的データと数量を表した量的データがありますが、棒グラフはどちらの種類のデータでも扱うことができます。

算数の授業で勉強するグラフは様々あります。そして、小学校に入学して絵グラフの次に勉強するグラフといえば棒グラフです。

棒グラフの特徴は、絵グラフの絵を棒に置き換えれば棒グラフになるので年齢が低いお子さんでもわかりやすく、グラフを描く為に難しい知識は必要ないので誰でも簡単に作成することができることです。

棒グラフを使う目的は、絵グラフと同じように散らばっていた複数のデータの大小を比較する為に使います。

棒グラフを描く手順ですが、

  1. 散らばっているデータをまとめる
  2. まとめたデータを表にする
  3. 表の数値を元にして棒グラフを描く

というように絵グラフを描く時と同じ3工程の順番です。

棒グラフを描くことができたらそれで終わりではなく、描いた棒グラフをじっくり見てグラフからどのような傾向が読み取れるのか考えます。

統計グラフの勉強をして散らばっているデータをまとめてグラフを描き、そして描いたグラフを読み取れる力が身に着くと物事を比較検討する力も同時に身に着きます。

中学生・高校生・大学生・社会人の方で統計グラフの描き方がよくわからないという方は絵グラフと棒グラフから描いて見てください。

以下に棒グラフの描き方を例題を使ってわかりやすく説明していますので描き方を読んでイメージをつかんでください。

2.お年玉の金額で棒グラフの描き方の例題

お年玉の金額のメモ

けんじ君はお正月にお年玉をたくさんもらいましたが、ある日お正月にもらったお年玉の金額は多かったのか少なかったのか無性に知りたくなりました。そこで、友達はお年玉をいくらもらったのか聞き取り調査をして上の図のようなメモを作りました。

こういう場合を例にして、どのように棒グラフにすればいいのか1つ1つ考えてみましょう。

棒グラフを描く手順は覚えていますか?

1番目は散らばっているデータをまとめる、2番目はまとめたデータを表にする、3番目は表の数値を元にして棒グラフを描くという順番で行ってください。

手順1.
まずは、上の図のお年玉の金額のメモ用紙に無造作に書かれている名前とお年玉の金額のセットを整理してみましょう。

整理することはとても重要な作業です。みなさんの部屋の中が散らかっているとお母さんにすぐに片付けるように怒られますよね。散らかっていたものをあるべき場所に片付けると綺麗に整理できます。統計も同じで、散らかっているデータを目的に応じて整理すると綺麗になり意味を持つデータに変わります。

この場合は、友達がもらったお年玉の金額と比べるので名前ごとに金額を整理すれば綺麗にまとまりそうですよね。

上のお年玉の金額のメモ用紙は、とりあえず、けんじ、まさお、ひとし、まり、みき、あみという順番で整列させてみると次のようになります。

  • けんじ:10000円
  • まさお:8000円
  • ひとし:7000円
  • まり:8000円
  • ゆき:15000円
  • あみ:9000円

これで名前ごとにお年玉の金額を分けて整理ができました。

手順2.
次は、まとめたデータを表にしてみましょう。

表を作る時は項目が必要です。この場合は、お友達ごとにお年玉の金額を調べましたので、名前、お年玉の金額を項目として表を作るのが適切ですよね。

表を作ると次のようになります。

まとめたデータから表を作る

データの整理がしっかりできていれば、表を作ることは難しくないですよね。きれいにまとまりました。

手順3.
最後は、表の数値を元にして棒グラフを描きます。

棒グラフを描く時は、縦軸と横軸の項目が必要になります。この場合は、表の項目の名前とお年玉の金額を使って、縦軸をお年玉の金額、横軸を名前にします。

縦軸は、一番下が0で上に行くほど金額が増えるように目盛りを書きこみます。横軸は、左からけんじ、まさお、ひとし、まり、ゆき、あみという順番に名前を書きこみます。

縦軸と横軸の項目と目盛りを書きこみましたら、それぞれのお友達のお年玉の金額を横軸の上に縦方向に表から読み取った値を棒の形で描いてください。

棒グラフを描くと次のようになります。

表から棒グラフを作る

これで棒グラフは完成してすべてのデータの整理が終わりました。

棒グラフが完成した後は、棒グラフからデータの傾向や特徴を考えてみましょう。

まずは、お年玉の金額が多い少ないを比べて見ると、

  • お年玉を一番多くもらったのはゆきちゃん
  • お年玉が一番少なかったのはひとし君

ということがわかります。

また、お友達のお年玉の金額は7000円~15000円の間で、けんじ君はお友達の中で2番目にお年玉が多かったことがわかります。

ここで、上で作成した棒グラフを下のようにお年玉の金額が大きい順に並べ変えて比較を続けてみましょう。

棒グラフを大きい順に並べ変える

金額が大きい順に並べ変えてみると最大値(ゆきちゃんの15000円)と最小値(ひとし君の7000円)の値、お年玉の金額の順番が見やすくなりましたね。

また、数量データを大きさの順番に並べ変えると中央値(メジアン)が目で見てわかるようになるんです。

中央値(メジアン)とは、数量データを大きさの順番に並べた時の真ん中の順番に当たる値のことです。いわゆるデータの個数の中心の値のことです。
※中央値は平均値のことではありません。

この場合は、6人のお年玉の金額を比べているので、(6+1)÷2=3.5となるので、左から右に向かって3.5番目が中央値となります。棒グラフの横軸の名前を見るとあみちゃんとまさお君の間ですね。

詳しい中央値を計算すると、あみちゃんの9000円とまさお君の8000円を使って、(9000円+8000円)÷2=8500円が中央値となります。

6人の中では8500円が標準的なお年玉の金額ということです。

では、平均値とは何かというと、全ての個々の値を足し合わせた合計値を足し合わせるのに使った個数で割った値のことです。この場合は、(15000円+10000円+9000円+8000円+8000円+7000円)÷6人=9500円となります。

6人のお年玉の合計を平均した金額は1人当たり9500円ということです。

したがって、けんじ君のお年玉の金額の特徴は、お友達の標準的な金額よりも多く、また平均よりも多いことがわかりました。

このように、中央値と平均値は違うものなので間違えないようにしてください。中央値を使って比較するのか平均値を使って比較するのかで見方が変わってきますので、平均値だけでなく中央値と平均値の両方の値を使って傾向をつかんでください。

棒グラフは、数量が多い少ない、数量のばらつき方を比較する時に使うことに適している統計グラフです。

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