通分と約分
学習する学年:中学生
1.通分の説明
通分とは、2つ以上の分数の分母の値にある数を掛け合わせて、すべての分数の分母の値を同じ値にして計算することです。
分数の分母と分子とは何かわかりますか?
分数の分母と分子とは、次で説明する値のことです。
- 分数の上段の値が分子
- 分数の下段の値が分母

分数の足し算や引き算をする場合は、それぞれの分数の分母の値が異なってるときは通分しなければ計算できません。通分して同じ値にしなければいけなので気を付けてください。

通分する時のコツは、最小公倍数が理解できているかどうかです。最小公倍数とは、2つ以上の整数に共通な倍数のうち最小の数のことをいいます。
2.通分の計算方法
次の分数の足し算の計算をしてみましょう。

この式は、2つの分数を足す計算をするのですが2つの分数の分母が2と3で同じ値になっていませんので、分母の値を共通にする必要があります。
例えば、この分数の場合だと分母が共通になる値は、6、12、18・・・などがありますが、共通の値が一番小さい6(最小公倍数)に合わせると計算しやすくなります。
それでは、分母を6にするために、1/2の分母と分子に3を、1/3の分母と分子に2を掛けます。

掛け合わせると、それぞれの分数の分母の値が6で同じになるのと同時に、分子の値もそれぞれ変化しますので注意してください。
この分母の値をそろえる作業を通分といいます。
3.約分の説明
約分とは、分数の分子と分母の値に同じある数を使って割っていき、人が見て数が小さくなったわかりやすい分数の値にすることです。
分数の掛け算や割り算をする場合などは、約分を使って値を見やすくしないと正解の答えにはなりませんので気を付けてください。
また、約分を最後まで終わらせずに途中ででてきた値を書いてもバツになりますので分数は約分ができなくなるまでしっかり行ってください。

約分する回数が少ない方が早く答えが導き出せ試験では有利ですが、どの数で約分したらいいのかわからない時は、とりあえず2、3、5、7で約分してみましょう。
約分に慣れるまでは時間がかかるものです。約分に慣れていない方は小さい数を使って約分して慣れてください。
4.約分の計算方法1
次の分数を約分してみましょう。

この分数の分母と分子は5で割れそうです。
それでは、それぞれの値を5で割ってみましょう。
約分した値はこのようになります。

5.約分の計算方法2
最後にもう1問、次の分数を約分してみましょう。

この分数の分母と分子は2で割れそうです。
2で割って見ます。

約分は割れなくなるまで続けなければいけません。まだ割れそうですよね。
4で割ってみます。

これ以上は割れないみたいですので、40/8=5になりました。
このように、約分すると、見た目の数が小さくなって見やすくなることがわかりましたでしょうか。