わりざんの計算方法(小数の計算)
学習する学年:小学生
1.小数のわりざんの説明
小数のわりざんを計算する時に大切になることは、小数のたしざんやひきざんを計算した時のように、それぞれの数の小数点の位置を合わせて計算することではありません。
小数のわりざんは、それぞれの小数点の桁数分を、計算結果やわられる数に反映させることが小数のわりざんを理解する考え方として重要となってきます。
しかしながら、小数のわりざんは、小数のたしざん、ひきざん、かけざんよりも難易度は高くとっつきにくいと思いますが、コツがわかればなんとかなりますので途中であきらめないでください。
小数のわり算の計算手順は、
- わる数に小数点があればわられる数の小数点を移動させて消す
- 普通にわり算をする
- 商とあまりに小数点を付け加える
の3ステップで計算して答えを導きます。
それでは、次に説明する小数点を含んだ数のわりざんを計算してコツをつかんでみましょう。
2.小数のわりざんの計算方法(あまりがでない時)
小数のわりざんの計算方法を理解するために、次の小数点を含んだ式を計算してみましょう。
- 4÷0.5=
どちらの数がわる数で、どちらの数がわられる数か覚えていますか?
割る記号(÷)の前の数がわられる数、記号の後ろの数がわる数でしたよね。わりざんをするときは、わる数とわられる数を意識して計算してください。

このままでは計算がやりにくいですので、わる数とわられる数を下のように筆算に置き換えてみましょう。
※筆算(ひっさん)とは紙に数字を書いて計算することです。

それぞれの数を筆算に置き換えてみましたが、わる数である0.5に小数点があるとこのままでは計算しにくいので、テクニックを使って小数点をなくしましょう。
わる数である0.5の小数点の位置は、一番右から数えて1桁目(小数第一位)と2桁目(一の位)の間にありますので、一番右端の位置から数えて小数点は1桁分になります。
この1桁分をわられる数の4の方へ反映してみると、0.5は小数点がなくなって5になり、4は一番下の位に0を1つ付け加えて40になります。
わる数の小数点をなくすと、次のようになります。

わる数に小数点がなくなりましたら、普通に割り算をしていってください。

したがって、答えは8になります。
なお、わりざんの答えは商とあまりに分かれていて、筆算記号の上の数が商で一番下の数があまりです。
この場合は、商は8、あまりは0です。
このように、わる数に小数点がついていたら、わられる数に反映するとスムーズに計算できるようになります。
3.小数のわりざんの計算方法(あまりがでる時)
次の小数点を含んだ式を計算してみましょう。商は小数点第1位まで求めてあまりを出してみましょう。
- 3.22÷1.7=
あまりがでる小数のわりざんでも計算方法は上で計算した時と同じです。
まずは、このままでは計算がやりにくいですので、わる数とわられる数を下のように筆算に置き換えてください。

それぞれの数を筆算に置き換えてみましたが、わる数である1.7に小数点があるとこのままでは計算しにくいので小数点をなくしてください。
わる数である1.7の小数点の位置は、一番右から数えて1桁目(小数第一位)と2桁目(一の位)の間にありますので、一番右端の位置から数えて小数点は1桁分になります。
この1桁分をわられる数の3.22へ反映してみると、1.7は小数点がなくなって17になり、3.22は小数点を1つ右にずらして32.2になります。
わる数の小数点をなくすと、次のようになります。

わる数に小数点がなくなりましたら、普通に割り算をしていってください。

計算すると商は1.8になります。あまりは16のように思われますが、わられる数の初めの小数点の位置が反映されるので、あまりは0.16です。
商とあまりに小数点を付ける時は、
- 商の小数点の位置は、小数点を移動させた後のわられる数の小数点の位置
- あまりの小数点の位置は、小数点を移動する前のわられる数の小数点の位置
を反映させることを忘れないでください。
したがって、答えは、1.8あまり0.16です。
計算した答えが正しいかどうか不安で確認したい場合は逆算してください。逆算の計算式は、「(割る数×商)+余り」が割られる数と等しくなるかで判断します。
この場合は、(1.7×1.8)+0.16=3.22、割られる数と等しくなので答えは合っていることがわかりました。
小数のわり算の計算はどうでしたか?小数のわり算の計算方法は理解できたでしょうか。
小数のわり算が苦手という方は、まずは、小数に慣れる為に小数の足し算、引き算、掛け算の計算の方が簡単なのでそちらから勉強することをおすすめします。